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WARスナップショット分析2026夏場の伸び

この12週間で WAR を最も積んだのは誰か — 日次スナップショット24時点の記録から

シーズン通算の順位表は「今年ずっと良かった選手」しか映さない。5月23日から8月15日までの24時点の記録を突き合わせて、この夏に最も価値を積み上げた選手を野手・投手別に特定する。

2026-08-15読了 8Xでシェア

シーズン通算のWARランキングには、ひとつ見えないものがある。「いつ積んだか」だ。開幕ダッシュに成功して夏場は平凡な選手と、開幕につまずいて6月から別人になった選手が、通算では同じ数字に見える。ファンが知りたいのはむしろ「いまどっちに向かっているか」のほうだろう。

BaseballHub は毎朝、全選手のスタッツをスナップショットとして保存している。5月23日から8月15日までに貯まった記録は24時点(7月末以降は毎日)。この期間の始点と終点を突き合わせれば、「この12週間で誰がどれだけ積んだか」を実測で出せる。対象はこの間に15試合以上出場を増やした選手に絞った。

野手:この12週間の WAR 積み上げ TOP10

Δ WAR選手5/23 → 8/15出場増現在の wRC+
+2.3近藤 健介(ソフトバンク)1.3 → 3.6+59試合165
+2.2レイエス(日本ハム)1.0 → 3.2+60試合155
+1.9森下 翔太(阪神)1.3 → 3.2+59試合155
+1.8正木 智也(ソフトバンク)0.1 → 1.9+60試合150
+1.8山口 航輝(ロッテ)0.1 → 1.9+54試合144
+1.7マッカスカー(楽天)0.0 → 1.7+54試合141
+1.7栗原 陵矢(ソフトバンク)1.1 → 2.8+60試合144
+1.7佐藤 輝明(阪神)2.2 → 3.9+59試合172
+1.6紅林 弘太郎(オリックス)0.2 → 1.8+59試合118
+1.5牧 秀悟(DeNA)0.6 → 2.1+48試合154

首位は近藤健介の +2.3。5月下旬の時点で 1.3 と例年よりおとなしい数字だったが、12週間でほぼ3倍に積み上げ、通算でもリーグ上位へ戻ってきた。注目したいのは表の4〜6位、正木智也・山口航輝・マッカスカーの3人だ。5月下旬の WAR はいずれも実質ゼロ。つまりこの3人は「開幕時には戦力として数えられていなかった選手」で、夏場のレギュラー定着だけでここまで来た。通算ランキングを眺めても、彼らはまだ中位に埋もれていて目立たない。差分で見て初めて浮かび上がる顔ぶれである。

紅林弘太郎の +1.6 は少し毛色が違う。wRC+ 118 は表内で最も低く、打撃だけならこの位置に来ない。遊撃手としてほぼ全試合に出続けたことによる守備・出場価値の積み上げが効いており、「打撃成績の割に WAR が高い」タイプの典型例といえる。

投手:防御率を最も改善した8人(30イニング以上)

Δ 防御率選手5/23 → 8/15投球回増
-3.37木下 里都(阪神)5.40 → 2.03+28回
-2.84杉山 一樹(ソフトバンク)6.00 → 3.16+28回
-2.35伊勢 大夢(DeNA)5.19 → 2.84+23回
-2.32鈴木 豪太(ソフトバンク)4.15 → 1.83+21回
-1.58山﨑 颯一郎(オリックス)4.24 → 2.66+23回
-1.34甲斐野 央(西武)3.07 → 1.73+27回
-1.08レイノルズ(DeNA)2.25 → 1.17+26回
-1.06津森 宥紀(ソフトバンク)2.45 → 1.39+21回

救援投手の防御率は母数が小さいぶん振れ幅が大きい。5月時点の 5.40 や 6.00 という数字は、序盤の数試合の failed outing を引きずったものだ。だからこの表は「投球内容が3点分良くなった」と読むより、「序盤の悪い印象が実態に追い越された」と読むほうが正確だろう。それでも木下里都の 5.40 → 2.03 は、28イニングをほぼ無失点で通さないと作れない数字で、印象の修正だけでは説明がつかない。

逆方向も一応見ておく

同じ差分を下からめくると、出場を続けながら WAR を減らした選手も一定数いる。WAR は「控え選手と比べた上積み」なので、出場しても代替水準を下回る成績なら数字は目減りする。ただし該当者の多くは出場機会をつかんだばかりの若手で、サンプルの少なさによる振れも大きい。個名を並べて論評するには時期尚早なので、ここでは現象の指摘にとどめる。

方法論と注意書き

  • データは BaseballHub が毎朝保存している日次スナップショット(2026-05-23〜08-15、24時点)の始点・終点差分。
  • WAR・wRC+ は当サイトの OPS ベース推定値で、守備指標を精密に持つ他社算出とは差がある(誤差 ±15% 程度を想定)。
  • 対象は期間中に15試合(投手は約20イニング)以上を積んだ選手のみ。故障離脱者の「減少」は出場減によるもので、ここでは扱わない。
  • 差分の日次推移は「いま数字が動いている選手」(/trending)で毎日更新している。

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